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建築士・インテリアデザイナー・ショップデザイナーへ ためになる話

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数学が苦手でも建築士になれる

「意匠設計・都市計画」「構造設計」「住宅設計」・・・建築業界の仕事や役立つ資格をご紹介

建築士は建築物の設計などを行う職業であるため、普段の業務から多くの数字を扱う機会があります。
数学に関する知識がある程度必要とされるため、「数学が苦手だと建築士になれない」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、業務内容次第では、数学が苦手でも問題なく建築士になれます。
数学の知識だけが建築士の資質を決めるものではないため、事前に必要最低限の知識と情報を把握しておけば、苦手意識があっても建築士を目指せるでしょう。
こちらでは、建築士における数学の知識の必要性と、最低限把握しておきたい数学のポイントを解説します。

建築士には高度な数学の知識が必須?

建築士になるには、数学の知識自体は必要です。
建物の設計図を作成する際など、安全で快適な環境を構築するためには数学による計算が求められます。
そのため建築士を目指す場合には、ある程度数学ができる方が有利になるでしょう。

一方で、建築士の仕事全てに数学の知識が必要になるわけではありません。
特に「高度な数学の知識」は、ほとんど必要ないと言えるでしょう。
必要な数学の知識は業務内容によって変化しますが、なかには算数レベルの知識だけで十分通用するものもあります。
数学が苦手な人でも、特別なプレッシャーを感じることなく建築士を目指せるのです。

法改正によって実務経験なしで建築士の受験が可能になった

2020年度から建築士法が改正され、大学や専門学校の建築学部に進学すれば実務経験がなくても建築士の資格を取得できるようになりました。
これまで建築士の資格を受験するには、大学や専門学校の卒業後数年間の実務経験が必要でした。
せっかく学校で得た知識をすぐに受験に活かせなかったため、数学が苦手な人は改めて実務経験後に勉強し直さなければならなかったのです。

しかし、法改正によって大学や専門学校に進学すれば、実務経験なしでも建築士の資格を取得できます。
例えば青山製図専門学校では、夜間部を含めた全学科が実務経験0年のまま、卒業の年に2級建築士の受験が可能です。
学校の授業や試験対策で得た知識をすぐに活用できるので、建築士資格に合格しやすくなっています。
数学が苦手な人でも勉強してすぐに受験ができれば、合格率を高められるでしょう。

最低限必要な数学の知識を知っておくことがポイント

結論として、数学が苦手でも建築士にはなれることが分かりました。
一方で、建築士になるのなら最低限必要とされる数学知識のラインはあります。
事前にそのラインを把握しておけば集中的に勉強ができるので、苦手意識を克服できるでしょう。

建築士に必要な最低限の数学の知識は、「四則演算」と「三角関数」です。
この2つに関しては、建築士を志す場合には学習しておく必要があります。
「数学苦手なのに大丈夫かな?」と不安になるかもしれませんが、四則演算に関しては算数レベルであるため、習得に大きな苦労はかかりません。
基本的に大学1〜2年で学ぶ内容を理解できていれば、建築現場における業務の大半で通用するので、そこまで深く学習する必要がないのです。
建築系の専門学校で行う授業でも必要な数学の知識は学べるので、苦手意識があっても問題なく建築士を目指せます。

そのほか、以下の公式も建築士を目指す際には必要とされる数学の知識になります。

・三平方の定理(ピタゴラスの定理)
・重心の計算
・角度の計算
・体積の計算
・面積の計算

いずれも学校で習う一般レベルの計算式であるため、事前に備えておけば問題なく習得できます。
また、建築業務において「構造設計」を担当したい場合には、さらに以下の数学知識を確保しておきましょう。

・断面二次モーメント
・断面一次モーメント
・断面係数
・たわみの公式
・座屈荷重の公式

構造設計は専門的な業務であるため、ある程度難しい数学の知識が必要です。
事前にそれぞれの公式の詳細を確認し、業務で取り扱えるように準備しておきましょう。
数学が苦手な人は、ほかの業務で建築士の仕事に慣れてから構造設計業務に移行するなどの工夫がおすすめです。

意匠設計は数学が苦手でも大丈夫!

数学が苦手な人は、建築士の「意匠設計」の仕事を担当するのがおすすめです。
意匠設計とは、建築時に内装や外観、間取りなどをデザインする仕事です。
基本的にデザイン業務の領域を担当するため、数学の知識はほとんど使用しません。
必須と言われているものは四則演算、算数レベルの知識でOKとなっています。

もちろん高度な数学知識があれば、論理的かつ数学的なアプローチが行えるので、意匠設計の仕事がスムーズに進むことはあります。
しかし、算数レベルの知識だけでも問題なく仕事は務まるので、数学が苦手な人は意匠設計の建築士を目指すのもひとつの道です。


まとめ

建築士になるには数学の知識がある程度必要ですが、専門性の高いものは基本的に求められません。
そのため数学が苦手な人でも、建築士になることは可能なのです。

数学に苦手意識があるからといって、建築士になる夢を諦める必要はありません。