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建築士・インテリアデザイナー・ショップデザイナーへ ためになる話

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建築施工管理技士とは

建築施工管理技士とは 青山製図専門学校

建築現場で監督業務などを担えるようになる「建築施工管理技士」は、建築業界で人気の職業です。
これから建築業界で働きたい人は、建築施工管理技士を目指すことで多くの仕事に出会えるでしょう。
しかし、そもそも「建築施工管理技士とはどんな仕事なのか?」という点を理解できていなければ、建築施工管理技士になることは難しいです。
そこでこちらでは、建築施工管理技士とはどんな仕事なのか?どうやってなるのか?といった基本を解説します。

建築施工管理技士とは?

建築施工管理技士とは、施工を行う人たちの監督・管理を行い、建築現場におけるまとめ役を担う職業です。
施工を行う人たちの業務内容や安全を管理し、建築現場全体の計画をスムーズに進めることが役割となります。

建築現場で働く人の職種はさまざまで、全員が自分の仕事を完遂させることに集中しています。
そのため個々の仕事については詳しくないこともしばしばあり、詳しい工程や業務の関連性までは把握していないことも多いのです。
そこで建築施工管理技士がそれぞれの仕事の状況をチェックし、管理する業務が必要になります。
建築現場の状況を管理する「管理職」であり、計画を予定通りに進める「進行役」であるのが、建築施工管理技士という職業です。

建築施工管理技士になるには?

建築施工管理技士になるには、「建築施工管理技士1級」「建築施工管理技士2級」の2種類の資格のうちいずれかを取得する必要があります。
階級ごとに管理できる工事の種類が変わり、対応できる業務内容も変化するのです。
具体的には、建築施工管理技士の1級と2級でそれぞれ以下のような特徴があります。

<建築施工管理技士1級>

建築施工管理技士1級の資格は、建築施工管理技士における上位職にあたり、請け負える工事の規模に制限がありません。
特定建設業における「営業所ごとに配置が必要な専任の技術者」に認定されるので、現場に常時勤務しなければならない「監理技術者」として働けます。
17業種にもおよぶ全ての建築工事の監理技術者として仕事ができるため、高層マンションや大規模な土地を活用した商業施設など、あらゆる工事の施工管理が可能です。

そのほか、建築施工管理技士1級は監理技術者が必要とされる以外の全ての工事で配置が必須とされる「主任技術者」としても働けます。
建築施工管理技士1級を取得できれば、結果的にあらゆる建築現場で管理や監督の仕事ができるのです。


<建築施工管理技士2級>

建築施工管理技士2級は、一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」および建設工事の「主任技術者」として仕事ができます。
建築施工管理技士2級は1級の資格と違い、外注で総額4,000万円以上になる工事を直接請け負うことはできません。
そのため中小規模の建設工事を担うことが多く、住宅工事や小規模な建物の管理業務がメインになるでしょう。
2級の資格試験は「建築」「躯体」「仕上げ」の3種類に分かれていて、全ての工事分野に携わるには3つの試験に合格しなければなりません。

基本的に上記どちらかの資格を取得することが、建築施工管理技士になるための条件です。
また、令和3年度の試験からは「技士補」と呼ばれる資格が認定され、これは建築施工管理技士の第一次検定に合格することで取得できます。
これまでは第二次検定に合格しなければ何もえられませんでしたが、令和3年以降は建築施工管理技士の技士補として認定を受けられます。


参考:https://www.cic-ct.co.jp/course/building

建築施工管理技士の仕事内容

建築施工管理技士の仕事内容には、主に以下の種類があります。
それぞれの詳細を確認し、建築施工管理技士に求められる業務をチェックしてみましょう。

建築現場における施工の計画を立てる

建築施工管理技士は、建築現場における具体的な施工計画を立てるのが仕事です。
設計士の作成した設計図を頼りに、予算内で工事を実現するための計画を設計します。
原価(コスト)を下げるための交渉、工事現場周辺の環境を把握した上での事前処置、解体などによって発生した資源の再利用方法の提案など、工事に関するあらゆる計画に着手するのが特徴です。

全体の工程管理

工事がはじまってから終わるまでの全体工程を管理するのも、建築施工管理技士の仕事です。
トラブルへの対処やより効率的な工程の構築などを行って、予定通りに工事を終わらせることも業務になるでしょう。

工事では当初の工程に合わせて資材を発注したり、技術者の確保を行ったりするため、予定がズレると結果的に工事全体に大きな支障が発生します。
特に建築施工管理技士1級の資格取得者は、大規模な工事の工程管理も担当するため、全体を把握する視野の広さと万が一の際に即座に対応できる柔軟性が必要です。

安全・品質の管理

建築施工管理技士は、建築中の安全管理と完成品の品質管理も仕事です。
工事現場ではちょっとしたことが事故につながるため、安全確保のために作業現場を管理したり、技術者への注意喚起を行ったりします。
また、完成した工事物に不備が出ないように、定期的に品質のチェックを行うのも建築施工管理技士の役割です。
塗装や設計に問題があると判断した場合には、その場で修正を依頼して最終的な品質に影響しないように対処します。

まとめ

建築施工管理技士は、工事現場を監督・管理する立場として欠かせない職業になっています。
建築業で管理職になりたい人や、工事現場でのキャリアアップを目指す人は、建築施工管理技士の資格取得を検討してみましょう。

建築施工管理技士の受験資格を得るには実務経験が必要ですが、大学や専門学校を卒業していれば必要な経験期間を3年に抑えられます。
特に専門学校は建築施工管理技士に関する知識・技術を本格的に学べるカリキュラムがそろっているので、効率良く資格取得を目指せるでしょう。