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建築士・インテリアデザイナー・ショップデザイナーへ ためになる話

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建築士に必須の構造力学と勉強法について

建築士 構造力学と勉強法について 青山製図専門学校

建築士になるには、さまざまな専門知識が必要です。
建築に関係するあらゆる知識を吸収し、自由に活用できるようになってはじめて、建築士として活躍する地盤を作れるでしょう。

そんな建築士に必須の知識に、「構造力学」があります。
構造力学の意味や計算式をしっかりと理解し、実践で使えるようになることは、建築士になるために欠かせないプロセスです。
こちらでは建築士になるために必須となっている構造力学についての基本と、おすすめの勉強法を解説します。

建築士に必須の構造力学とは?

建築士になるのなら、構造力学は必ず学習することになります。
構造力学とは工学における基礎のひとつで、住宅などの建築物や橋梁・船舶といった各種構造物にかかる荷重を計算し、その結果どのような反応が起きるのかを導き出す学問です。
荷重とは重さ、圧力、外力といった外部からの力を意味し、構造力学においては温度変化と合わせて建築物・構造物の内部に発生する抵抗力(応力)への影響を予測したり、数値化したりするために用いられます。

建築物・構造物にかかる荷重にはさまざまな種類があり、建築士は例えば以下のような要素を考慮して建物の設計をしなければなりません。

・住む人の体重や家具などの重さ
・台風や地震、雪などの自然災害
・事故などによる外部からの衝撃
・重力による影響
など

あらゆる荷重を計算した上で、建築物・構造物にどのように作用するのかを計測するのが構造力学です。
構造力学は応用力学の一種に数えられ、大学や専門学校の建築学部では体系的に学習する必要があります。

建築士が構造力学を学ぶ理由

建築士は構造力学の計算式や知識を用いて、あらゆるタイプの荷重が建築物・構造物に与える影響および表面化する反応を把握します。
建築物・構造物に荷重がかかると、内部に変形や歪みが起きて構築している資材に問題が発生します。
それは結果的に建築物・構造物の破損や倒壊といった、大問題に発展する可能性があるのです。
そういった人命に関わる問題を未然に防ぐために、建築士は構造力学を活用して、建築物・構造物の安全性を確保しています。

人々の生活環境に密接する建築物・構造物は、安全性の確保が第一に優先されます。
構造力学はその安全を確実に確保するために必要とされる、建築士の専門的スキルのひとつなのです。
建築士を目指すのであれば、なぜ構造力学を学ぶ必要があるのかを十分に理解した上で習得を目指しましょう。

建築士資格を取得するには構造力学の学習が必須

建築士に構造力学が必須とされる理由のひとつに、「建築士資格の受験に必要」という点もあります。
正しく建築士として認定されるためには、必要な知識・技術を学習した上で、建築士試験に合格しなければなりません。
この建築士試験の範囲に構造力学が含まれているため、合格に向けての対策をする際には必ず通る道となるのです。

以前は受験条件に実務経験が必要でしたが、2020年の法改正以降は専門学校などで所定の期間学習すれば、最短で卒業後すぐに建築士の資格を取得できるようになりました。
そのため大学や専門学校でしっかりと受験対策を行うことで、理系科目が苦手でも合格しやすくなったと言えます。

建築士資格1級・2級で構造力学の出題内容は異なる

建築士資格の試験には1級・2級の両方で「構造」という科目があり、そのなかで構造力学が出題されます。
それぞれの内容は異なり、基本的に1級の方が2級よりも難しく設定されているのです。
過去の事例を参考にすると、建築士資格の1級・2級ごとに以下のような特徴があります。

建築士資格1級:構造の問題30問中6~7問程度出題
建築士資格2級:構造の問題25問中6問程度出題

問題数と割合が変わってくるので、それぞれの試験ごとに対策を行いましょう。

建築士になるための構造力学の勉強法

建築士になるためには、構造力学の勉強をしなければなりません。
しかし、誤った方向性の勉強や非効率的な学習方法を行うと、構造力学の習得に時間がかかってほかの科目が疎かになる恐れがあります。
建築士を目指すのなら、効率的な構造力学の勉強法を確認し、備えをしておくことがおすすめです。
これから建築士になるために構造力学を勉強する人は、以下の方法を参考にしてみてください。

過去問をチェックする

建築士になるための構造力学の勉強法は、過去問を解くことが基本です。
過去問を知ることで構造力学の出題形式や問題の傾向が見えてくるので、本番でも冷静に対応しやすくなるでしょう。

建築士資格の過去問は、公益財団法人建築技術普及センターのホームページなどで確認可能です。
まずは過去問を数年分解き続け、どんな問題が出るのかを把握してみましょう。

参考
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.html

参考書で不得意な部分をフォローする

過去問による勉強法に加えて、おすすめとなるのが参考書を活用した苦手の克服です。
建築士試験における構造力学の過去問を解いていると、どうしても自分にとって苦手な部分が出てくるでしょう。
苦手部分をフォローするために参考書を活用し、具体的な解き方や解答事例をチェックしておくのがポイントです。
過去問と参考書の活用を繰り返し、少しずつ構造力学についての理解を深めていきましょう。

まとめ

建築士になるためには、構造力学の学習が不可欠です。
構造力学は一般的に馴染みのない学問ですが、建築士にとっては必須の項目になります。
この機会に構造力学の基本と勉強法を確認し、建築士試験に向けて学習を進めてみましょう。